「タイムリミットに気をつけよう!」
相続が開始したら通夜・葬儀・法要・お香典返し・納骨・挨拶状作成など行うべきことがたくさんあります。
それらをひとつひとつこなすだけでも相当の気遣いと時間を費やすものですが、この流れの中で相続手続きもしっかりとしていかなくてはいけません。
相続手続きとは、お亡くなりになられた方の人生を引き継ぐ手続きです。
相続手続きをスムーズに進めるためには、全体の流れを把握しておくことが大切です。
あらかじめ、いつまでに、何をすべきかをしっかりと把握し、後から「しまった!」ということのないよう、ポイントを押さえていきましょう。まずは、下のタイムスケジュール表でおおまかな手続きの流れをつかんでみてください。
葬儀の準備・死亡届の提出
・死亡届は7日以内に提出
・預金口座は凍結されるので生活費を確保しておく
葬儀
遺言書の有無の確認
遺言書は家庭裁判所の検認
※公正証書遺言は検認不要
相続財産・債務の概略調査
相続放棄・限定承認の検討
4ヶ月以内
相続財産・債務の調査
相続財産の評価
相続財産目録の作成
10ヶ月以内
税務署に申告・納税
相続が開始したら、まず死亡届を出さなければなりません。これを提出しないと、埋葬を行うことができません。期限は7日以内ですから、速やかに手続きを行いましょう。
葬儀を終えたら、電気、ガス、水道、電話などの名義変更やクレジット会社への連絡、生命保険会社などへの連絡を済ませておきましょう。国民健康保険、国民年金などの手続きや健康保険の手当て(埋葬料など)についての確認もお忘れなく。
相続をスムーズに進めるためには、遺言書の有無を確認することがとても大切になってきます。
遺言書がある場合、原則として遺言書のとおりに相続が行われることとなります。(遺言相続) 但し、相続人全員の合意があれば、遺言と異なった分割も可能です。
遺言書がない場合は、民法のルールにしたがって相続が行われることとなります。(法定相続)
民法では、誰が、何を、どれだけ相続するかを明確に規定していますが、後々、トラブルにならないためにも、故人の戸籍を調べ、相続人を明らかにしておくことをおすすめします。
相続手続きでは、3ヶ月というのは、非常に大きな意味を持ってきます。
この期間内に、財産を相続するか、放棄するか、限定承認をするかという決断をしなければならないからです。
そのため、四十九日の法要をメドに、遺産の調査を行い、財産目録にまとめておきましょう。
この結果、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いかを明らかにして、相続するか、放棄するかといった判断をします。
相続人間でどのように遺産を分配するか話し合うことを「遺産分割協議」と言います。
故人が遺言を残していれば、それに従えばよいのですが、遺言書がない場合には、相続人全員が集まって遺産分割協議をすることになります。しかし、毎回話し合いがまとまるとは限りません。それぞれが自分の主張を通そうとして、親族間の争いに発展してしまうことがあります。このことを「相続」ではなく「争続」と言い換えられることがあるくらいです。
相続税の申告は、相続開始後10ヶ月以内となっています。
納税の際に、配偶者の軽減措置や小規模宅地等の特例などを利用するには、遺産分割(誰がどれだけ相続するか)を終えていることが必要となってきます。
遺産分割を終えたら、相続登記を行いましょう。
これらを済ませ、それぞれの財産の評価額を割り出したら、いよいよ相続税の申告と納付です。
ここまでが相続が発生してからの必要手続きの一連の流れです。
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